NEN-RING甲冑総漆塗長財布-ジャパンレザーアワード2019エントリー-

コンセプト

甲冑をモチーフにしたデザインの長財布です。 甲冑を着た武将に持って頂きたい!という気持ちで作りました。革は姫路黒桟革「極」と染料と浄法寺漆を刷毛で塗りあげたヌメ革です。漆塗りは全て自社製です。漆工と革の技法を合わせた独自の仕上げです。内装も全て漆塗りです。小銭入れの“もみじ”と“トンボ”は手描きの漆絵で表現しました。トンボは勝虫とも呼ばれ甲冑にも使われる縁起ものです。 サイズは持ち易いように極力小さく設計し、カードポケットの外脇の部分を少し縫わないことで出し入れし易く更に万札ポケットを両脇に忍ばせています。

作者の想い

ジャパンレザーアワード2019に応募しました!2回目の応募になります(前回は2015年)。作品名は「甲冑総漆塗長財布(かっちゅうそううるしぬりながざいふ)。革小物を作り始めたのが2012年5月。2013年(平成25年)4月に漆の勉強を始め、我流で革に漆を刷毛で塗り始めました。お財布を中心に商品を開発、製造、販売をしてきました(主に染料塗り)。木が少しずつ大きくなり年輪が増えるが如く、私の技術も木の年輪が増えるように成長してきました。今回応募した理由は、私の技術がプロの審査員の方にどのように評価していただけるかということ、そして今までNEN-RINGを買って頂いた方、応援していただいている方、そしていろいろ教えていただいた方々に今現在の私の技術はお陰様でここまで上達しました!という感謝の念を込めまして応募しました。せっかく応募しましたので、狙うはグランプリ!そういうこともありまして、私の革小物を作る技術の全て、漆塗りをする今までのノウハウの全てそしてプラスアルファで漆絵にもチャレンジしてみました。中を開けた時にもサプライズ的な感じで絵が描いているのは面白いと思いました。今回のタイトルで甲冑(かっちゅう)という名を付けました。これは、以前姫路市のタンナー(革の鞣し屋さん)さんを訪問した帰りにせっかくなので姫路城に立ち寄りました。そこでみた甲冑があまりにも見事で心打たれました。この重厚感がありそして繊細かつ光はなった甲冑を忘れることはありませんでした。そして、革に漆を塗っいるものをタンナーさんに見せている中(東京レザーフェア)で、坂本商店の坂本ご夫婦に出会いました(2013年頃)。この時に姫路黒桟革と出会います。黒桟革も国産の漆を使っています。私の塗った漆のレザーと比べると全く違った表情の「革の黒ダイヤ」と言われるように素晴らしい革でした。いつかは革で何かを作りたい!と思ったのですが当時の私の技術では何も作れませんでした。今回の作品には是非この憧れの黒桟革「極」も使ってエントリーしたいと思いました。今回のタイトルにふさわしく私が見た甲冑のように重厚感がありかつ輝きがある黒桟革を使わせていただきました。そして、内側も全て漆塗りをした革にした贅沢な作品としました。レザーアワード2019ではどのような評価になるか非常に楽しみです。今回エントリーされた作品302点はウェブからも見ることが出来ますので、ご興味のあるかた是非ご覧くださいね(^^